- きらびやかに見える街ほど、生活にかかるコストは重い。
※この記事は「アメリカ移住の現実」をテーマにした連載の一部です。
アメリカに来てから、
何度も感じてきたことがあります。
お金がないと、何も選べない。
これは大げさな表現ではなく、
ロサンゼルスで生活する中で、
日々実感してきた現実でした。
お金が「生活の土台」になる社会
アメリカにいると、
お金は単なる生活費ではなく、
人としての信用や自由と強く結びついているように感じます。
住む場所、
働き方、
移動手段、
日常の安全。
そのすべてが、
「お金がある前提」で成り立っています。
お金がないと、
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選べる家が限られる
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働ける場所が限られる
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移動手段が制限される
-
心の余裕がなくなる
結果として、
「ちゃんと社会に参加できていないのではないか」
そんな感覚に陥ることもありました。
給料は高い。でも、生活費はそれ以上に高い
アメリカの給料は、
日本と比べると高く見えます。
でも、生活を始めてみると、
物価の高さがそれを簡単に打ち消します。
家賃、食費、保険、交通費。
どれも日本とは桁違い。
「息をしているだけでお金がかかる」
という感覚は、決して大げさではありません。
日本のように節約しにくいという現実
日本では、
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今日は安く済ませる
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明日は少し贅沢する
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食材や日用品を価格帯で選ぶ
といった細かな調整ができます。
でもアメリカでは、
その中間の選択肢が少ないと感じることが多くあります。
安いか、高いか。
外食はどこに行っても高く、
自炊をしても、食材そのものが高い。
結果として、
何もしていなくてもエンゲル係数が上がっていきます。
とにかく稼がないと生活が回らない
そのため、アメリカでは
お金を稼ぐことが最優先になります。
2つ、3つの仕事を掛け持ちしている人も珍しくありません。
それは欲張りだからではなく、
そうしないと生活が成り立たないからです。
弁護士、医師、エンジニアなど
高収入の職業であれば問題ありません。
でも、一般事務やサービス業では、
家賃を払った時点で収入の大半が消えてしまうこともあります。
「低所得」の基準が違いすぎる
よく言われる話ですが、
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ニューヨーク:年収約2,000万円以下
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ロサンゼルス、サンフランシスコ:年収約1,500万円以下
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ハワイ:年収約1,000万円以下
この収入以下は「低所得」と分類されることがあります。
この数字を聞くと驚くかもしれませんが、
実際に住んでみると、
決して誇張ではないと感じます。
そして、
この収入に到達するのは、
決して簡単なことではありません。
お金は贅沢のためではなく、守るためのもの
アメリカで生活して思ったのは、
お金は贅沢のためではなく、
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行動の自由
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働き方の選択
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身の安全
-
心の余裕
を守るためのものだということです。
お金があることで、
初めて「選べる立場」になれる。
逆に言えば、
お金がないと、
選ばされる人生になりやすい。
理想より、まず「生活を回すこと」
アメリカ移住というと、
英語、キャリア、夢、自由。
そんな言葉が並びがちです。
でも実際に必要だったのは、
理想よりも、生活を回す力でした。
これは後ろ向きな話ではなく、
生き残るための、現実的な判断だったと思っています。
これからアメリカ移住を考えている人へ
英語力も、スキルも、キャリアも大切です。
でもそれ以上に、
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生活費はいくらかかるのか
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稼げない期間をどう乗り切るのか
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お金がない時の選択肢は何があるのか
こうした現実的な準備が必要です。
アメリカンドリームはもちろんありますが、
それを得るまでに現実的なお金の問題があります。
そこに気づけるかどうかも移住の一歩として大事なポイントだと思います。
ただ、理想通りにいかなくても、
生き残る道はあります。
おわりに
アメリカに移住して、
一番必要だったのは
英語でも、スキルでもなく、お金でした。
この現実を知ってから、
ようやく自分を責めなくなりました。
きれいごとだけではない現実を知った上で、
それでもアメリカに行きたいと思うなら、生き残る道はあるので、
その覚悟さえあれば大丈夫です!

