- 理想ではなかったけれど、生き抜くために選んだ働き方。
※この記事は「アメリカ移住の現実」をテーマにした連載の一部です。
アメリカで仕事を探し始めたとき、
私は自然と日系企業に応募していました。
理由はとてもシンプルです。
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面接の流れがわかる
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どうアピールすればいいか想像できる
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日本語で意思疎通ができる
一番早く、現実的に就職できそうだった。
それが正直な理由でした。
せっかくアメリカにいるのに、という葛藤
本音を言えば、
せっかくアメリカに来たのだから、英語の環境で働きたいと思っていました。
英語を使って仕事をすることで、
語学力を伸ばしたい。
現地の人たちと同じ土俵で働いてみたい。
でも、現実は思っていたほど甘くありませんでした。
事務職経験だけで来た現実
これまでの職歴は、主に事務系。
専門的なスキルがあるわけでもなく、
アメリカで評価されやすい職種でもありません。
学歴、語学力、これまでの経験。
どれを取っても、
「選ばれる側」になるには足りないと感じる場面が多くありました。
仮に英語が話せたとしても、それでようやくアメリカに住むローカルと同じ土俵なので、
英語ができる=すぐに仕事が見つかる
というわけではありません。
日系企業は、なぜ就職しやすいのか
日系企業の仕事は、
アメリカに来たばかりの日本人にとって、圧倒的にハードルが低いです。
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面接スタイルが日本的
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暗黙の了解が通じる
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日本人としての経験が評価される
だからこそ、
「まずは日系で」という選択になりやすい。
私も例外ではありませんでした。
給料が安いと感じても、選ばざるを得なかった
正直に言うと、
日系企業の給料は決して高くありません。
そもそもの給料ベースが日本なので、生活費が3倍かかるロサンゼルスでは、
正直家賃だけで半分以上が持っていかれるくらいの給料でした。
※保険はアメリカ企業よりも良い場合もあるので、保険料を考えると
給料自体が安くてもベネフィット込みだとアメリカ企業の一般事務と変わらない可能性はあります。
若い方からすると基本的には健康で病院に行くことはあまりないと思うので、
保険はあくまで保険で、給料が高い方がありがたいと思うことも。。。
この辺はご自身が今後就職する際の参考にしてください。
アメリカの日系企業で働くときに、
「足元を見られているのではないか」
と感じることもありました。
でも、アメリカでは
お金がないと生活が成り立たない。
家賃、保険、交通費、食費。
理想を語る前に、まず生活を回す必要がありました。
英語環境で働けなかった自分を責めた時期
「もっと英語ができれば」
「もっと早く準備していれば」
そんなふうに、自分を責めたこともあります。
アメリカの大学を卒業して、立派な職業についてい
高い給料をもらっている人たちを見ると、
自分が遠回りしてきたような、何やってきたんだろうなーという気持ちにもなりました。
でも、あとから振り返ると、
それは単なる努力不足ではなく、
スタート地点の違いだったのだと思います。
日系で働くことは、失敗ではなかった
「アメリカに来てまで日系で働く意味はあるのか」
そう思ったことも、何度もあります。
というより、本当はできることならアメリカ企業で働きたい!
その思いはずっとありました。
でも今は、
日系企業で働くという選択は、妥協でも逃げでもなく、
生き残るための戦略だったと思っています。
生活を安定させることで、
次の選択肢を考える余裕が生まれた。
それだけでも、大きな意味がありました。
理想と違っても、前に進んでいる
理想通りのキャリアではなかったかもしれません。
思っているような英語環境でバリバリ働く自分にも、まだなれていません。
それでも、
生活を立てながら、
自分に合う働き方を模索し続けています。
日系で働くことは、
ゴールではなく、通過点でした。
これからアメリカで仕事を探す人へ
もし今、
「日系企業で働くしかないのでは」
と悩んでいる人がいたら、こう伝えたいです。
それは失敗でも、後退でもありません。
今を生き抜くための、現実的な選択です。
生活を安定させてから、
次を考えても遅くはありません。
ロサンゼルスは思っている以上にお金がかかります。
そのため生活を安定させることがまず大事です。
おわりに
アメリカで働くということは、
理想や夢だけでは成り立ちません。
ときには、
遠回りに見える選択が、
一番確実な道になることもあります。
日系企業で働いた経験は、
私にとって、
アメリカで生き残るための大切な一歩でした。


